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客寄せペンギンとスタンプラリー [雑感]

先日ペンギン脱走と捕獲で話題になった葛西臨海公園に行った。まずは野外でピクニック。そして自転車でサイクリング。坊やもすっかり自転車を上手に漕げるようになったので、子ども達は勝手に進んでくれるようになり、親はらくらく。そのうちもっと速く走れるようになれば、親の自転車も必要になるはずだ。

自転車で海の近くまで行ってみると、なぎさで大勢の家族が水遊びしていた。そこでパパが率先して靴と靴下を脱いで水に足を入れた。最初は躊躇した子ども達もすぐに慣れて波打際に入ったり、泥遊びを始めた。潮干狩りしたがっていたお嬢も普段砂遊びの大好きな坊やも大喜び。しばらく浜辺で泥んこずぶ濡れになって遊んだ。ママは荷物持ちで水には入らなかったけれど、海に向かって流れる湧き水やさざ波の跡、アサリを見つけたり、鴨のダイビングなどが見れて楽しかった。

少し風が強くなってきた頃、着替えるために自転車で駐車場まで戻った。もうクタクタかと思いきや、着替えたら今度は水族館に行きたいという。坊やにはちゃんと帰りも自転車を漕ぐと約束させて水族館へ向かった。中はとても全部見る余裕はなくサメやマグロを見た後はペンギンに直行した。

ペンギンは可愛かったけれど、脱走ペンギンに思いを馳せると、生命のたくましさに感動するなあと思った。脱走ペンギンはまだ幼鳥だったのに80日もの間海で自力で餌を取って暮らしていたらしい。おかげで体格も栄養状態も良く、胸筋がものすごく発達していたとのこと。かわいい顔してヨチヨチ歩いているけど、やる気になれば野生の顔になるのだなあと思い、夫に脱走ペンギンはたくましい、すごいね言ったら、人間も小さいうちに厳しい環境を経験させた方が自立するのだと言っていた。

さらにウニやカニに触ったりして帰ろうとしたけれど、いちいちお嬢が魚を見たがってなかなか出口にたどり着かなかった。ようやく建物出口を出たと思ったら、スタンプラリーの最後のスタンプは遠回りしないといけないところだった。実は葛西臨海公園の水族館は子ども達が生まれる前も含め何度も行ったことがあったけれど、この遠回りコースには行ったことがなかった。

遠回りコースは広い芝生の広場を緩やかにカーブする細い道を通るようになっており、所々にクイズのパネルがあった。坊やが走っていってしまう一方、お嬢はいちいち立ち止まってクイズにチャレンジしていた。田んぼやら蛙やらのクイズだったので、なんで臨海なのに田んぼ?と不思議だった。

そしていざ小さな建物に入ってみるとそこには一面の池の断面があり、息を呑んだ。池はもともとあったものか、後から造ったものかはわからないけれどいずれにせよ、屋外にあるので本物の生態系の断面をかいま見ることができる。以前北海道で鮭のいる河を窓から見れる展示を見たことはあったし、海中水族館を見たことはあったけれど、池は見たことがない。池なので派手さはないし、もちろん透明度は高くないけれど、小さな魚がたくさん泳いでいるのが見えた。池の中ってこういう感じなんだと初めて知った。

隣の建物に入ると今度は滝のある渓流の断面が見えるようになっていた。時間がなくてゆっくり見れなかったけれど、こちらも素晴らしい展示だった。田んぼの展示ではザリガニやドジョウなどの生き物も見れて、夫がしきりに懐かしいと言っていた。ゆっくり見たがるお嬢をせかして、ようやく建物の出口で最後のスタンプを押し、無事終了時間ぎりぎりに子ども達はスタンプラリープレゼントの折り紙やシールをゲットできた。

それにしても何故臨海水族館に淡水生態系の展示、と改めて考えたけれど、今や臨海地域は工場地帯や高層マンション群になってしまったけれど、かつて昔は東京湾の近くまで湿地や草地が広がっていたのかもしれない。そこには池や田んぼもあって夫が懐かしがった蛙やザリガニがいたのかもしれない。今までそんな風景を想像したこともなかったので、まるでタイムスリップしたかのような気分になった。昔からあった自然、開発の歴史、環境保全…。色々と考えさせられる展示でとても印象的だった。

本来は遠い国から連れてきたペンギンをペットのように飼って見世物にするよりも、もともと東京湾岸にあった生態系を再現する方がずっと価値があり貴重なことではないかと思うけれど、きっと淡水池の展示だけでは金も人も集まらないだろう。現に私達だってペンギンを見に行った訳で、蛙やドジョウをわざわざ見には行かない(ドジョウは家で飼っているし!)。そういう意味では"客寄せペンギン"もやはり必要であり、さらにスタンプラリーで辺鄙な場所に誘導するテクニックも必要なのだろう。まんまとその戦略(?)にひっかかった訳だけれど、臨海水族館のこれまでと違う一面を知れて面白かったし、興味の幅が広がったので、また行きたいと思う。

今回は海といい、水族館といい、京葉線でお隣りの駅にある人工島レジャーランドに比べてなんと奥深い楽しみがあることだろう、とつくづく思った。体もたっぷり動かせたし、初夏の季節も味わえたし、知的好奇心も満たされて、大変充実した1日を過ごせた。子ども達も疲れたようだったけれど、お隣りのレジャーランドのように待ち行列に並んでばかりで心身ともにクタクタで歩けないという疲れとは違う。今回は坊やですら最後までちゃんと自転車を漕いでいた。お隣りの会社は商売が上手なので日本全国からお客さんがたくさん来るようだけれど、私は断然都内側の方が健全でリーズナブルで楽しいと思う。
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